雄藩

天保期→幕藩体制の構造的いきずまり。人口減少・田畑の荒廃（特に北関東）

19cの初め→問屋制家内工業の進展
天保期→マニファクチュア（工場制手工業）の発生
・分業と協業
・尾張の綿織物、桐生・足利の絹織物（高機使用）が特に発達

藩営専売制・藩営工場の設立→新たな経済活動を積極的に活用⇒賃労働の広範な展開・資本主義の展開

人材登用・財政再建を目的→藩権力の強化
◎薩摩（鹿児島）藩
1827年　下級武士調所広郷による推進
・借財の整理（三都の商人から500万両の借金）
・奄美三島の特産である黒砂糖の専売強化
・琉球と清との密貿易←松前から俵物の買い上げ
・藩主島津斉彬が鹿児島に反射炉を設立
・造船所・ガラス製造所（集成館）・紡績工場（イギリス技師の指導による）
・藩主島津忠義が外国人グラヴァーから洋式武器（大砲・鉄砲）を購入

◎長州（荻）藩
・1831年　防長一揆（←全藩一揆）専売制の内容に反発→藩士村田清風の改革←財政再建に成功
・借金の整理
・紙・蝋の専売制の改革
・下関に越荷方を設置→大坂への物質を購入し委託販売で収益をあげる

◎肥前藩
・藩主鍋島直正が均田制を実施→本百姓体制の再建
・陶磁器の専売を推進→犯罪性に余裕を持たせる
・大砲製造所（日本初の反射炉あり）設立→洋式軍事工業の導入

◎土佐藩
改革派の緊縮財政策→財政の再建を企図

◎水戸藩
藩主徳川斉昭の改革→保守派の反対で失敗

◎宇和島藩の伊達宗城と福井藩の松平慶永
・中・下級藩士の藩政登用
・領内の地主・商人との連携強化

雄藩の台頭→幕末の政局で発言力を持つ
薩長土肥などの西南の大藩→幕政改革に成果をあげる

幕末期の幕府の改革
・代官の江川太郎左衛門（担庵）が伊豆韮山に反射炉を建設
・横須賀に製鉄所→フランス人技師の指導
⇒幕府・諸藩の洋式工業へ
→明治維新（殖産興業と富国強兵）の官営工業の模範となる